雨上がりの夜空は
「でもって反対側の左側はさ、堀井(ほりい)の家だろ?」

「あっ…」

堀井は大人しくてあまり目立った性格ではないが、私達と同じ中学校に通う同級生の男子。
悠馬くんとは中学校から一緒だけど、私とは小学校の時から一緒で近所だ。

「しかもこんな時間だし、アイツの性格上自分の家からたまたま俺らを見かけたからって学校でみんなに言いふらしたりはしないだろうけどさ。
まぁ…アイツと雪穂は小学校からずっと一緒で近所なら家もお互い知ってるだろ?
仮に俺が雪穂の家の方向まで一緒に歩いて行ってるとこを万が一見られたりして、もしもってことがなくはないだろ?
学校でみんなに言いふらされて学校でも塾でも気まずくなるのはお互い様だしな」

…そっかぁ、だからいつも堀井の家と公園がある交差点のところまで送ってくれてたんだ…。

「まぁ、どちらかと言えば堀井よりも雪穂の行く方向の公園の近くに同じテニス部の宮崎先輩の家があるらしいからさ、先輩に見られる方が…俺的には、ちょっとね…」

宮崎先輩は悠馬くんと同じ男子テニス部に所属する私達より1学年上の先輩で、ちょっとチャラチャラした感じの目立つ先輩。
騒ぐのが好きなのか家の前や公園で友達と溜まっているのをよく見かける。
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