雨上がりの夜空は
「…その宮崎先輩、実は私の家の斜め向かい…」

「マジか、じゃあ尚更そっち側ってか家まで送って行けないや…」

「ふふっ…まぁ、こんな時間に先輩と会ったら気まずいよね」

「そうなんだよな。
あ、ちなみにいつも迎えをコンビニにしてるのは塾周辺は家ばかりで何にもないから、親が迎え遅れた時とかで塾前で待つと暇だからさ。
コンビニだったら寒さも凌げて暇つぶし出来るし」

なんて会話を弾ませていたら…
あっという間に信号機のない交差点が数歩の距離…。
悠馬くんとの別れ道─────

「早いよな…もうここに着いちゃったな」

「うん…送ってくれてありがとう。
あ、そうそう、今日似合ってたよ。
その黒縁メガネ」

「あぁ、塾に行く前にうっかり家でコンタクト外しちゃってたからさ。
何か今日みんなにも似合う言われたっけな。
俺学校でもメガネしてる時たまにあるけど、ギャップ萌えみたいな感じで意外とモテるかな?」

「ははっ、悠馬くんは黒縁メガネあってもなくてもモテそうだよ、爽やかだし優しいし」

そんな悠馬くんの冗談混じりな問いかけがおかしくて、でも素直な気持ちで聞いてくるところが可愛くて…初めて見た一面だった。
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