雨上がりの夜空は
番外編:悠馬 Another Story……
あの時のキミに好きな相手がいることは
同級生達の噂で何となく知っていた。
ただでさえ接点が少ないから
あの時にアイツから塾を誘われた時は
キミがいることを知って正直嬉しかった。
だけどあの時の僕は本当に勇気がなくて
なかなかキミとの距離を縮められなくて
誰もいない時にしかキミを誘えなくて
一緒に隣を歩くことだけで精一杯だった。
あの時のキミに
自分の気持ちを伝えたかったけど
断られるのが何となく分かっていたから
結ばれるかどうかも分からないのに
キミと彼の幸せを願って
自分から身を引いた。
言えなかった。
違う
言わなかったんだ。
だからもうあの時みたいに
言わないまま諦めて後悔しないように
今度はちゃんと
怖くても怖がらないで
自分の気持ちを伝えようと思う…。