雨上がりの夜空は
第一夜 悠馬(前編)

時計の針が午後20時30分を刺す。

「じゃあ、時間なので今日はここまで!起立!」

「ありがとうございましたー!」

午後20時30分
今日の塾の講義が終わった。

「暗いから気をつけて帰って下さいね! 」

「はーい!ありがとうございました~!先生さようなら~」

みんなは教科書や塾で配られたプリントを鞄に手早くしまって、上着を羽織って教室を後にする。
塾の入口前では塾長が一人ひとりに挨拶を交わしながら見送る。




季節は12月。
20時半過ぎの外は塾長が塾生全員に掛ける言葉どおり本当に真っ暗だった。

「わ~っ寒っ!!流石に冬場は溜まれないや~」

「だねぇ~。あ、ウチもう親が迎え来てくれてるから行くね〜」
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