雨上がりの夜空は

晃臣と華菜ちゃんと私の3人は幼稚園で出会った時から中学生になった現在までずっと一緒。

悠馬くんと紗也ちゃんの2人が同じ学区同士だけど、私達3人の小学校の学区とは違うから中学生になってから2人の出身小学校の学区と合同になった。

塾は私達3人の学区にあるので、他学区の悠馬くんと紗也ちゃんはそれぞれのお母さんに車で送迎してもらって塾に通っている。
つまり送迎組とはこの2人のことで、晃臣が悠馬くんを、華菜ちゃんが紗也ちゃんを塾に誘って現在の5人メンバーとなった。

と言っても、私以外の4人はみんな仲が良いというか普通に最近の流行等といった会話が成立するけど、私は流行りにも疎くて会話についていけない上に自分の暗い性格もあってみんなの輪になかなか自分から入れないでいた。

私の場合は塾が終わった後は駐輪スペースで溜まっておしゃべりしているみんなに“バイバイ”と別れを告げて早足に塾を後にするだけ。
流行りを覚えたり自分からみんなの輪に入って、話題振ったり話しかけるなんて本当に苦手。
“自分から行動しようと努力していないだけ”と言われれば確かにそうなのかもしれないけど、どうしたら自分を変えられるかとかも分からなかった。



「マジで今日寒いわ~、俺も流石にさっさと帰るわ。じゃあな悠馬、またな!」

「おー、またな」

悠馬くんに別れを告げて晃臣も自転車に乗り、あっという間に見えなくなった。
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