せめてもう一度
僕の目の前には動く気配がない翠

『嘘…だろ…?』

信じれない事実

今朝はあんなに元気にいつもの笑顔をしていたのに

今は青白い顔で静かに目を閉じている

手を伸ばして翠の手に触れる

その手は恐ろしく冷たくて

現実をいう名の悪夢を僕に突きつけた

あの無邪気に笑う翠はもういない

あの優しい声で歌ってくれる翠はいない

もういない

もう話すことも会うこともできない

止め処無く流れ落ちる涙

「僕のために」やってくれたことは返せ切れない程あって

なのに「翠のために」僕は何をやってきた?

何もやれてない

悔しくて悲しくていろんな気持ちが混ざり合って

涙は止まることを知らないかのように流れ続ける

その落ちる先は翠の手

翠、もう一度だけ













せめてもう一度







あの笑顔を見せてください
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