【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
高校の時に海で溺れた彼女を助けた時もハラハラしたが、今回の比ではない。
前回はもう少し冷静で周りが見えていた。
今はもう綾香のことしか頭にない。
「……よかった」
本当によかった。
誰に聞かせるでもなく呟いて、さらに綾香を強く抱けば、「氷堂……さま?」と彼女は戸惑うように俺の名を呼ぶ。
しばらくして救急車がやって来て、隊員に毛布をかけられた。
隊員の問いかけに絢香は半分眠ったような様子で答える。
命は助かったが、これで安心という訳ではない。
病院でちゃんと検査してもらおう。
彼女は念のために担架で救急車に乗せられた。
俺も同乗するが、少し落ち着いてきて、近くにいる藤原と剣持さんに「花山院秋人は?」と確認した。
「一緒にいた部下は警察に引き渡したが、彼女を追っていった男には逃げられた」
剣持さんがそう俺に報告して悔しそうに顔を歪める。
「そうか。警察への説明は頼んだよ」
俺の指示に剣持さんと藤原は頷いた。
救急隊員が後ろのドアを閉め、救急車は近くの病院に向かう。
その間、綾香の横にいてずっと彼女の手を握っていた。
「……氷堂、ずぶ濡れ」
身体が冷えて体力が奪われたのか、綾香の目はトロンとしている。
「綾香もね。カナヅチなのに海に飛び込むなんて、馬鹿だよ」
前回はもう少し冷静で周りが見えていた。
今はもう綾香のことしか頭にない。
「……よかった」
本当によかった。
誰に聞かせるでもなく呟いて、さらに綾香を強く抱けば、「氷堂……さま?」と彼女は戸惑うように俺の名を呼ぶ。
しばらくして救急車がやって来て、隊員に毛布をかけられた。
隊員の問いかけに絢香は半分眠ったような様子で答える。
命は助かったが、これで安心という訳ではない。
病院でちゃんと検査してもらおう。
彼女は念のために担架で救急車に乗せられた。
俺も同乗するが、少し落ち着いてきて、近くにいる藤原と剣持さんに「花山院秋人は?」と確認した。
「一緒にいた部下は警察に引き渡したが、彼女を追っていった男には逃げられた」
剣持さんがそう俺に報告して悔しそうに顔を歪める。
「そうか。警察への説明は頼んだよ」
俺の指示に剣持さんと藤原は頷いた。
救急隊員が後ろのドアを閉め、救急車は近くの病院に向かう。
その間、綾香の横にいてずっと彼女の手を握っていた。
「……氷堂、ずぶ濡れ」
身体が冷えて体力が奪われたのか、綾香の目はトロンとしている。
「綾香もね。カナヅチなのに海に飛び込むなんて、馬鹿だよ」