【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
高校の時にも似たようなことを言って叱ったが、今度は笑って注意した。
「ごめん……なさ……い」
囁きに近い声で謝る彼女を愛おしげに見つめる。
「俺の心臓がおかしくなるから、もう水の中に飛び込むのはやめてくれ」
それは告白に近かったのだが、彼女の目はゆっくりと閉じられて……。
「聞いてないな……これは」
思わず苦笑いしながらも、常に俺の心を乱す彼女の頬を優しく撫でた。
まあ、いいか。
彼女は今俺の側にいる。
告白は綾香が元気になってからにしよう。
もし彼女を失っていたら……そう考えると怖い。
花山院秋人のせいで綾香は死ぬところだった。
綾香の従兄だが、絶対に許さない。
今になってようやく秋人への怒りが込み上げて来た。
これ程人を憎いと思ったことはない。
秋人はまた綾香を狙ってくるだろう。
今度はもう逃がさない。
秋人には俺を敵に回したことを一生後悔させてやる。
それから五分程で近くの総合病院に着き、俺も綾香も救急で検査と治療を受け、彼女は念のために一日入院となった。
綾香が個室に移されると、父と大谷さんに連絡を取り、病室のシャワーで身体を洗う。
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