【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
どうして彼が?
そう言えば、海に飛び込んで……それで……いつの間にか地上にいて彼が微笑んでいたような……。
駄目だわ。
あまりに記憶が途切れ途切れで何が何だかよくわからない。
どういう経緯でこうなったのだろう。
カーテンからは日が差し込んでいる。
秋人さんに誘拐されたのが午後八時くらいだから、あれからかなりの時間が経ったのね。
氷堂はずっと私に付き添ってくれたのだろうか?
形だけの婚約者なのに、どうして?
「……氷堂」
その名を呟くと、彼がピクッと動いて目を開けた。
「綾香、起きたのか? 熱は?」
私の額に顔を近づけ、氷堂はコツンと自分の額を当てて熱があるか確かめる。
私が小さい頃、亡くなった母もよくそうやって熱の有無を調べたっけ。
ボーッとそんなことを思ったら、彼と目が合ってドキッ。
「なさそうだな。気分はどう?」
こんな鼻と鼻がくっつきそうな距離で聞かないで欲しい。
自由に息が吸えなくなって苦しくなるじゃないの。
恥ずかしくてプイッと氷堂から顔を逸らして答えた。
「だ、大丈夫ですわ」
動揺しまくりで声がうわずるし、顔が熱い。
落ち着くのよ、綾香。
「あれ? 綾香、顔が赤くない?」
そう言えば、海に飛び込んで……それで……いつの間にか地上にいて彼が微笑んでいたような……。
駄目だわ。
あまりに記憶が途切れ途切れで何が何だかよくわからない。
どういう経緯でこうなったのだろう。
カーテンからは日が差し込んでいる。
秋人さんに誘拐されたのが午後八時くらいだから、あれからかなりの時間が経ったのね。
氷堂はずっと私に付き添ってくれたのだろうか?
形だけの婚約者なのに、どうして?
「……氷堂」
その名を呟くと、彼がピクッと動いて目を開けた。
「綾香、起きたのか? 熱は?」
私の額に顔を近づけ、氷堂はコツンと自分の額を当てて熱があるか確かめる。
私が小さい頃、亡くなった母もよくそうやって熱の有無を調べたっけ。
ボーッとそんなことを思ったら、彼と目が合ってドキッ。
「なさそうだな。気分はどう?」
こんな鼻と鼻がくっつきそうな距離で聞かないで欲しい。
自由に息が吸えなくなって苦しくなるじゃないの。
恥ずかしくてプイッと氷堂から顔を逸らして答えた。
「だ、大丈夫ですわ」
動揺しまくりで声がうわずるし、顔が熱い。
落ち着くのよ、綾香。
「あれ? 綾香、顔が赤くない?」