【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

マンションに着くと、彼はスーツのジャケットを脱ぎ、ぐったりした様子でソファに腰を下ろす。
いつもなら、帰ってすぐに服を着替えるのに珍しい。
今日は咳もしているし、体調が悪いのかしら？
心配になって蒼士の顔を覗き込めば、苦しそうに息をしていた。
なんだか辛そう。
「ちょっと失礼しますわよ」
彼の額に手を当てると、凄く熱かった。
やっぱり熱がある。
大変だわ。
こういう時は……薬だけど、胃になにかいれなくては。
病気の時はお粥がいい。
でも、お粥ってどう作るのかしら？
スマホをバッグから取り出し、ネットでお粥の作り方を検索するも、レシピがたくさん出てきてどれを選んでいいのかわからない。
そもそも私、お米のある場所を知らないわ。
キッチンに行き、棚を物色していたら、レトルトのご飯を見つけた。
「炊飯器がなくてもこれでご飯が食べられますのね」
早速説明書を見てレンジでチンすれば、本当にあつあつご飯が出来ていた。
「あら、凄い」
まるで手品じゃないの。
私にもご飯が作れたわ。
で、土鍋はどこかしら？
上の棚からよく蒼士が鍋を出し入れするが、土鍋はここで見たことがない。
まあ、普通の鍋でもできるわよ。