【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

キッチンに戻って後片付けをしていると、シャワーを終えた蒼士がやってきた。
彼は虚ろな目で冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出し、ゴクゴクと口にすると、手で口元を拭う。それから近くの椅子に座ろうとしてよろけた。
「ちょっ……蒼士！」
ギョッとして咄嗟に彼の身体を掴んで支える。
「寝室に行きましょう」
そう声をかけて寝室のベッドに連れて行くのだが、体格の差があり過ぎて、途中廊下で一緒に倒れそうになった。
ベッドに運んだはいいが、ついいつもの癖で自分の寝室に連れて来てしまった。
私が引っ越して来た日を除いては、蒼士は「男ひとりで天蓋付きのベッドはちょっとね」と主寝室を私に譲りゲストルームを使っていた。
もう蒼士をゲストルームに運び直す気力はない。
仕方がないわ。今日は私がゲストルームで寝よう。
そんなことを思いながら、彼に布団を被せようとしたら、腕を捕まれベッドに引きずり込まれた。
「キャッ！」
驚きの声を上げるが、蒼士は「寒い」とブルブル震えながら私の身体を抱き締めてきて、胸がドキッとする。
「ちょっ……蒼士？」
弱々しい声で抗議するも、彼は私を離さない。