【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

一日くらいで回復はするのだが、その一日がしんどいのだ。
「ちょっと……大丈夫ですの？」
綾香がおろおろしながら俺の背中をさする。
「……平気だよ」と口にするが、こんな弱った姿でいては全然説得力がないと自分でも思った。
綾香も俺を気遣って優しく声をかける。
「着替えてベッドで休んでて下さい。お粥を作って持って行きますから」
その言葉に、身の危険を感じた。
ゾクッと身体が震える。
「綾香が……コホッ……作るととんでもないものが……コホッコホッ……出来そうだ」
咳き込みながらそんなコメントをすれば、彼女はむくれた。
「まあ、酷いですわ」
そんな彼女を見てこんな体調なのに自然と笑みが溢れる。
それで少し元気が出てきて、自分でお粥を作ったが、やはり無理をしたせいか身体が怠かった。
お粥の他に料理する気力がない。
「ゴホッ……ごめん。綾香の好きなもの今日は作ってあげられない」
自分が面倒を見るつもりで彼女を連れてきたのに、
この様。
好きな女の前では完璧な男でいたいのにな。
そんな弱ってる俺を彼女は叱りつける。
「何を言ってるんですか！私のことなんていいんです」