【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

「ちょっ……蒼士！」
綾香がすぐに気づいて俺を支える。
「寝室に行きましょう」
彼女に言われるまま、寝室に向かうも、だんだん視界がぼやけてきて真っ直ぐ歩けなかった。
なんとかベッドにたどり着いたが、今度はブルッと悪寒がして……。
暖を求めて……それが温かくて……。
優しい眠りに誘われた。

☆

「……早く……良くなって」
綾香の声がして、目が覚めた。
どんな目覚まし時計よりも、彼女の声の方が素早く反応してしまう。
何か重いと思ったら綾香を抱き抱えるようにして寝ていた。
彼女は俺の胸に顔を寄せすやすや眠っている。
さっきのは寝言か。
それにしてもどうしてこうなっているのか？
昨日の夜お粥を食べて……シャワーを浴びて……それから………。
記憶を辿るが、その後がすぐに思い出せない。
着替えてキッチンに行ったんだっけ？
それでスポーツドリンク飲んで……その後は？
あれ？　記憶がすっぽり抜けている。
なにか温かいものに包まれている感覚はあったのだが……。
どうやらそれは綾香らしい。