【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
彼女がいるから温かい。
両手で綾香をそっと抱き締める。
壁時計を見れば、午前五時過ぎ。
もうひと眠りしよう……と思ったが、彼女の寝顔をもっと眺めていたくなって……。
綾香の艶のある黒髪を撫でる。
記憶がないが俺が強引に襲いかかったってことはないよな?
それが気になって自分と彼女の着衣を確認する。
俺も……綾香も服を着ている。
しかも、彼女は昨日仕事で着ていた服のままだ。
取りあえずホッとするが、どうしてこうなったのか?
彼女が俺に抱き着いた……とは考えられない。
俺が熱に浮かされてダダをこねて一緒に寝てもらったとか?
ああ……ダメだ。いくら考えても思い出せない。
まあ、綾香を襲ってなければそれでいい。
こうして触れているだけで、彼女を抱きたくなる。
綾香と寝室を別にしたのは、そんな欲望を抑える自信がなかったからだ。
"だったら、触れるのを止めろ"……と俺の理性が命じるが、手を引くことは出来ない。
愛おしくて……愛おしくて。
このままだと触れるだけでは終わらなくなる。
それが自分でもわかっているのに、やめられない。
"彼女から離れろ"……とまた俺の理性が言う。
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