【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
それからシャワーを浴び終えると、身支度を整えてダイニングに行く。
すると、蒼士が私に気づいて微笑んだ。
「今朝はフレンチトーストにしたよ」
テーブルにはフレンチトースト、サラダ、スクランブルエッグにヨーグルトが用意されている。
ちょっと彼の顔を見るのが恥ずかしい。
「ありがとう。紅茶は私が淹れますわ」
もう朝はふたりともコーヒーではなく紅茶と決まっている。
ティーポットを手に取り、茶葉を入れるが、彼に止められた。
「綾香、何杯茶葉入れるつもり?」
「あっ!」
慌てて手を止めると、蒼士が私の肩をポンと叩いた。
「綾香、火傷するといけないから座ってて」
彼に言われるまま素直に椅子に座る。
あ~、私ってダメダメじゃないの〜!
自己嫌悪に陥る。
彼に食事を作らせて、紅茶まで淹れさせて……。
「綾香、早く食べないと冷めるよ」
蒼士に声をかけられ慌てて食べる。
彼が作ってくれたフレンチトーストは程良い甘さで優しい味。
私もこんな風に美味しいフレンチトースト作ってみたい。
作って彼に食べてもらいたい。
「私、決めましたわ。これから料理頑張ります!」
私の宣言に彼は一瞬ポカンとした顔になる。
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