【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
13、彼女の思い込み
「……それで、中国の工場を徐々にマレーシアとタイに移して……!?」
社長室で社長と打ち合わせをしていたら、ドアがバタンと勢いよく開いて、秘書の赤石さんが飛び込んで来た。
「た、大変です!」
髪を振り乱し、慌てたその様子を見て只事ではないと思った。
「どうした? そんな息せき切って……」
社長が驚いた顔で赤石さんに目を向ければ、彼女は胸に手を当て息を整えながら報告する。
「数日前に綾香さんを誘拐した犯人が第一会議室に現れて……私の代わりに綾香さんが捕まって……」
……秋人だ。
「赤石さん、警察とガードマン呼んで!あと、海外戦略室の大谷さんに連絡して、第一会議室周辺の人間を避難させるように言ってくれる? 君達も役員連れて避難して!」
口早に指示を出すと、彼女の返事も聞かずに社長室を飛び出した。
まさか会社には現れないと思っていた。
綾香が危険だ。
すぐにエレベーターに向かうが、階数表示を見れば、このフロアからかなり離れたところに移動していて当分来そうになかった。
ここでグズグズしている暇はない。
「くそ!」
悪態をつきながら、階段でひとつ下のフロアに行き、走って第一会議室に行く。
社長室で社長と打ち合わせをしていたら、ドアがバタンと勢いよく開いて、秘書の赤石さんが飛び込んで来た。
「た、大変です!」
髪を振り乱し、慌てたその様子を見て只事ではないと思った。
「どうした? そんな息せき切って……」
社長が驚いた顔で赤石さんに目を向ければ、彼女は胸に手を当て息を整えながら報告する。
「数日前に綾香さんを誘拐した犯人が第一会議室に現れて……私の代わりに綾香さんが捕まって……」
……秋人だ。
「赤石さん、警察とガードマン呼んで!あと、海外戦略室の大谷さんに連絡して、第一会議室周辺の人間を避難させるように言ってくれる? 君達も役員連れて避難して!」
口早に指示を出すと、彼女の返事も聞かずに社長室を飛び出した。
まさか会社には現れないと思っていた。
綾香が危険だ。
すぐにエレベーターに向かうが、階数表示を見れば、このフロアからかなり離れたところに移動していて当分来そうになかった。
ここでグズグズしている暇はない。
「くそ!」
悪態をつきながら、階段でひとつ下のフロアに行き、走って第一会議室に行く。