【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

秋人はナイフでブラに覆われた彼女の胸をつつく。
怒りで気が狂いそうだった。
たが、ここで逆上すれば相手の思う壺。
スマホをズボンのポケットから出し、大谷さんに電話をかける。
「今すぐプライベートジェットと百万ドル用意しろ」
それだけ言って電話を切る振りをしてポケットに戻せば、また秋人が俺に命じた。
「それじゃあ、お前は両手を上げろ」
素直にその要求に従って手を上げると、彼がナイフを弄びながら、俺の元にやって来た。
彼が綾香から離れればこっちのもの。
「そのまま後ろを向け」と秋人が言ったが、今度は応じずナイフを思い切り蹴り上げ、彼の頬を思い切り殴った。
呻き声も上げず、一メートル後方へ吹き飛ぶ秋人。
反撃するかと思ったが、彼は失神していた。
「いい気になるからだ」
冷ややかに言ってすぐに綾香の元に駆け寄ると、彼女の手に巻かれていたテープを取り去る。
「もう大丈夫だよ」
優しく声をかけながら、スーツのジャケットを脱いで彼女の肩にかける。
そして、綾香をこの胸に強く抱き締めると、彼女も俺にギュッと抱きついた。
「……怖かった。……秋人さんに……襲われるかと」
「……間に合って良かった」