【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「そういう人間に限って年とってから糖尿病とか厄介な病気になるんだよ」
「俺は例外なんで」
根拠のない剣持さんの自信にこの場にいた一同が呆れる。
ひとり先に会議室を出ていく彼を見て綾香が目を細めた。
「そんなにお腹が空くなら、ビーフジャーキーでも携帯すればいいのだわ」
彼女のコメントに俺と大谷さんと藤原の三人はクスッと笑う。
それから会議室の前で大谷さん達と別れると、綾香をひとつ下のフロアにある医務室に連れて行った。
だが、ドアをノックしても応答がなく、鍵がしまっている。
秋人の騒ぎがあったせいで、どこかに避難しているのかもしれない。
仕方がないので、タクシーを呼んで病院で手当をしてもらい、一度家に帰った。
「私……ちょっとシャワーを浴びて来ますわ」
玄関に入るなり綾香は小さく笑ってそう言うと、着替えを取りに寝室へ行く。
きっと、秋人に触れられたから、シャワーで身体を綺麗にしたいに違いない。
「俺はリビングにいるから」
彼女の背中に向かって声をかけると、リビングに行き、親父にメールを打って【綾香は無事です】と報告した。
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