【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「ちゃんと聞いて。愛人なんかいないし、欲しくもない。俺はね、高校の時から綾香が好きなんだ」
しっかりと意識がある綾香にそう告白すると、彼女は「う……そ」と呟いてフリーズした。
初めて女の子に告白したのに否定される俺。
藤原がいたら、ククッと肩を震わせて笑っただろうな。
だが、もう綾香の反応には驚かない。
「本当。綾香が欲しくて生徒会の役員に指名したし、縁談の話だって俺が父に頼んで進めてもらった」
俺の暴露話に、彼女は目を大きく見開いて驚く。
「え? ええ~!」
「今思えば、ちゃんとこうやって綾香に思いを伝えるべきだったんだって思う。でも、なんだろうね。変なプライドが邪魔して、綾香に俺を好きになってもらうように仕向けた。ことごとく失敗したけどね」
自嘲気味に言えば、彼女は俺のシャツの袖をギュッと掴んだ。
「……失敗なんかじゃありませんわ。私……蒼士のことを好きになってしまいましたもの。好きになったから、愛人がいると思って胸が痛くなったんですわ」
綾香の告白に胸が熱くなる。
「初めて俺のこと『好き』って言ってくれたね。前に俺が綾香に負けたって話をしたの覚えてる?」
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