【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
思わず声を上げれば、坂崎さんは私に向かって小さく頷いた。
「はい」
蒼士の部下というのは彼のことだったんだ。
そう言えば、卒業式のすぐ後に坂崎さんがやってきたのよね。
スーツ姿だったからすぐにわからなかった。
うちにいた時は、白いコックコートを着ていたもの。
彼がいち早く火事に気づいたから、誰ひとり死なずに済んだのだ。
「父を助けて下さってありがとうございます」
坂崎さんの両手を握ってお礼を言えば、彼は表情を変えずに返した。
「いえ、私は蒼士さまの命令で動いただけですから」
「それでも助けてくださいましたわ。本当にありがとうございます!」
坂崎さんの手をさらにギュッと握れば、なぜか彼はチラチラ蒼士に目を向ける。
「あの……すみません。手を離してもらってもいいですか? 蒼士さまの殺気が凄くて」
蒼士の殺気?
「え?」
わけがわからず首を傾げれば、蒼士が私の手を坂崎さんの手から離した。
「綾香、手を消毒してマスクするよ」
彼に促され、ドアの前にある消毒薬で消毒を済ませて、マスクをつける。
いよいよ父に会うのだ。
蒼士が病室のドアを開ければ、数メートル先にビニールのカーテンのようなものがあって驚いた。
「はい」
蒼士の部下というのは彼のことだったんだ。
そう言えば、卒業式のすぐ後に坂崎さんがやってきたのよね。
スーツ姿だったからすぐにわからなかった。
うちにいた時は、白いコックコートを着ていたもの。
彼がいち早く火事に気づいたから、誰ひとり死なずに済んだのだ。
「父を助けて下さってありがとうございます」
坂崎さんの両手を握ってお礼を言えば、彼は表情を変えずに返した。
「いえ、私は蒼士さまの命令で動いただけですから」
「それでも助けてくださいましたわ。本当にありがとうございます!」
坂崎さんの手をさらにギュッと握れば、なぜか彼はチラチラ蒼士に目を向ける。
「あの……すみません。手を離してもらってもいいですか? 蒼士さまの殺気が凄くて」
蒼士の殺気?
「え?」
わけがわからず首を傾げれば、蒼士が私の手を坂崎さんの手から離した。
「綾香、手を消毒してマスクするよ」
彼に促され、ドアの前にある消毒薬で消毒を済ませて、マスクをつける。
いよいよ父に会うのだ。
蒼士が病室のドアを開ければ、数メートル先にビニールのカーテンのようなものがあって驚いた。