【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
二十畳ほどの個室でベッドの周りがビニールで覆われている。
四十インチほどの大きさのテレビがつけられていて、父の好きな野球の試合が映っていた。
ベッドには父が寝ていたが、包帯が身体に巻かれ、顔もガーゼで覆われていて、ひと目見てそれが父だとはわからなかった。
多分顔も火傷をおったのだろう。
ベッドにいる父は目を閉じていて、テレビはついていたが、起きているのかどうかわからなかった。
ショックというよりは、ベッドにいるのが父という実感が持てない。
何も声を出せずにいると、蒼士が優しく父に声をかけた。
「おじさん、今日は綾香が一緒ですよ」
「……蒼士君?」
父が蒼士の声に反応してうっすら目を開ける。
その声は確かに父の声。
お父さま……こんなお姿になって……。
どんなに辛く、苦しかったか。
父の苦痛を想像して涙が込み上げてきた。
そんな私の肩を蒼士がポンと叩く。
「ほら、綾香」
顔を上げて涙を堪えながら父に話しかけた。
「お、お父さま、綾香です。わかりますか?」
目が合ってやっと実感出来る。
私のお父さまだわ。
だって、私を見る目が温かいもの。
「……ああ。わかるよ。……髪、切ったんだね。似合うよ」
約一ヶ月振りに聞く優しく父の声。
「……たまには短いのもいいでしょう?」
四十インチほどの大きさのテレビがつけられていて、父の好きな野球の試合が映っていた。
ベッドには父が寝ていたが、包帯が身体に巻かれ、顔もガーゼで覆われていて、ひと目見てそれが父だとはわからなかった。
多分顔も火傷をおったのだろう。
ベッドにいる父は目を閉じていて、テレビはついていたが、起きているのかどうかわからなかった。
ショックというよりは、ベッドにいるのが父という実感が持てない。
何も声を出せずにいると、蒼士が優しく父に声をかけた。
「おじさん、今日は綾香が一緒ですよ」
「……蒼士君?」
父が蒼士の声に反応してうっすら目を開ける。
その声は確かに父の声。
お父さま……こんなお姿になって……。
どんなに辛く、苦しかったか。
父の苦痛を想像して涙が込み上げてきた。
そんな私の肩を蒼士がポンと叩く。
「ほら、綾香」
顔を上げて涙を堪えながら父に話しかけた。
「お、お父さま、綾香です。わかりますか?」
目が合ってやっと実感出来る。
私のお父さまだわ。
だって、私を見る目が温かいもの。
「……ああ。わかるよ。……髪、切ったんだね。似合うよ」
約一ヶ月振りに聞く優しく父の声。
「……たまには短いのもいいでしょう?」