【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「綾香にはチベットは無理だなあ。高山病になったら大変だ。頼むから蒼士君を追ってチベットに行かないでくれよ」
父が心配そうに私を見る。
なぜだか知らないけれど、父は私が氷堂にぞっこんだと思い込んでいる。
困ったことだわ。
「行く気もないのでご安心ください、お父さま。私、卒業旅行は、南仏に行きますから」
きっぱりと告げれば、父は恐る恐る私に尋ねた。
「……綾香、何か怒ってないか?」
怒ってる?
ええ、それはもう凄く怒ってますわ。
あの腹黒い婚約者に。
あんな悪魔にキスを奪われてしまうなんて……。
あ~、今思い出しても腹立たしい。
「なんでもありませんわ」
ムッとしながら返して、ワインをゴクゴクと飲む。
「まあ、南仏なら安心だな。いつから行くんだい?」
この質問、二回目ですわね。
卒業旅行の行き先だって伝えてあったのに、父は覚えていないらしい。
最近、仕事が忙しいから、仕方がないのかも。
「明日からです」
私の返答に父は驚いた顔をする。
「明日とは急じゃないか?」
「あら、この前ちゃんとご報告しましたのに、忘れておしまいになったのですか?」
父が心配そうに私を見る。
なぜだか知らないけれど、父は私が氷堂にぞっこんだと思い込んでいる。
困ったことだわ。
「行く気もないのでご安心ください、お父さま。私、卒業旅行は、南仏に行きますから」
きっぱりと告げれば、父は恐る恐る私に尋ねた。
「……綾香、何か怒ってないか?」
怒ってる?
ええ、それはもう凄く怒ってますわ。
あの腹黒い婚約者に。
あんな悪魔にキスを奪われてしまうなんて……。
あ~、今思い出しても腹立たしい。
「なんでもありませんわ」
ムッとしながら返して、ワインをゴクゴクと飲む。
「まあ、南仏なら安心だな。いつから行くんだい?」
この質問、二回目ですわね。
卒業旅行の行き先だって伝えてあったのに、父は覚えていないらしい。
最近、仕事が忙しいから、仕方がないのかも。
「明日からです」
私の返答に父は驚いた顔をする。
「明日とは急じゃないか?」
「あら、この前ちゃんとご報告しましたのに、忘れておしまいになったのですか?」