【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
「わー、観覧車。イルミネーションが綺麗!」
綾香が目の前にある観覧車を見てはしゃぐ。
もう日はすっかり暮れていて辺りは暗くなり、美しい夜景が広がっている。
「ああ。綺麗だね」
彼女の言葉に微笑みながら頷いて、ベイブリッジを通って遊園地に向かった。
遊園地の入り口付近の駐車場に車を停めると、綾香は驚いた顔をする。
「え? 『閉園』って看板が出てますし、車もほとんど停まってませんけど」
「大丈夫。問題ないよ」
にっこり微笑むと車を降りて、助手席側に行ってドアを開けた。
「さあ、降りて」
俺が促すと、綾香は戸惑いながら車から降りた。
「本当に中に入れますの?」
「心配いらないよ」
少し不安そうな顔をする綾香の手を掴んで指を絡めれば、彼女は照れているのか恥ずかしそうに俯いた。
そんな綾香の手を引いてエントランスに行く。
ゲートの前に男性スタッフがふたり立っていて「氷堂です」と告げると笑顔で迎えられた。
「お待ちしておりました。心ゆくまでお楽しみください」
怪訝な顔をする綾香と一緒に中に入れば、アトラクションの灯りが煌々と輝いていた。
園内に他の来場者はいない。
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