【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

「綾香は何に乗りたい？」
希望を尋ねると、彼女は辺りを見回し、次に俺の顔をじっと見た。
「ひょっとして貸し切りですの？」
「ご明答。せっかく綾香との初デートを他人に邪魔されたくはないからね」
この遊園地は実は氷堂系列のもので、俺の名前を使って夜の間だけ貸し切りにしたのだ。
「まあ。氷堂家の特権を使いましたのね」
上目遣いに少し責めるように俺を見る彼女の顔がなんとも可愛い。
「まあね。あるものはたまには使わないと」
「いつもの間違いでは？」
間髪入れず訂正する彼女の発言にも動じずフッと笑う。
「言うね。でも、ここで議論しているとあっという間に時間が過ぎていくよ。綾香はなんのアトラクションが好き？」
「もちろんジェットコースターですわ」
「ここには『ギャラクシーコースター』があるよ。木のジェットコースターで、日本最大級なんだ。ほら、あそこに鳥が羽を伸ばしたような型をしてる建物見える？」
綾香に顔を寄せ鳥のオブジェのような物体を指差すと、彼女は大きく頷いた。
「ええ。あの綺麗にライトアップされてるコースターですわよね？　木で出来てて壊れませんの？」
「みんなそう思うからスリルがあるんだ。本当に壊れないか試してみよう！」
綾香と共にジェットコースター乗り場に行き、当然だが待ち時間もなく、最前列に乗り込む。