【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
女の子はほとんどが袴で、私も薄紫色の生地に牡丹が描かれた袴を着ている。
他の友人に声をかけられ話をしていると、周囲がざわついた。
いつものことなのでその理由はわかっている。
あのふたりが来たのね。
でも、気づかぬ振りをして桃華さんと話をしていたら、背後から「綾香」と親しげに名前を呼ばれた。
その甘い声にビクッと反応する私の身体。
「あら、氷堂さま」
彼の方を振り向き、ニッコリと微笑んで見せた。
氷堂の横には彼の親友の藤原がいる。
ふたりは学院内でアイドルのように女の子達に騒がれる人気者。
「牡丹の柄が素敵だね。凄く綺麗だ」
女の子がキュン死しそうな甘い顔で微笑む彼は、氷堂蒼士という私の婚約者。
私と同じ二十二歳で、百八十三センチの長身に、ゆるくカールしたダークブラウンの髪。それとイケメン俳優顔負けの端整な顔立ち。
彼は世界でも有数の大企業、氷堂コーポレーションの御曹司。
頭脳明晰でスポーツ万能、性格も穏やかで優しいが、私は彼のことが苦手。
周りの女子はこの男の本性を知らない。
にこやかに微笑んでいても、氷堂はどこか見下すような目で女の子を見ている。
他の友人に声をかけられ話をしていると、周囲がざわついた。
いつものことなのでその理由はわかっている。
あのふたりが来たのね。
でも、気づかぬ振りをして桃華さんと話をしていたら、背後から「綾香」と親しげに名前を呼ばれた。
その甘い声にビクッと反応する私の身体。
「あら、氷堂さま」
彼の方を振り向き、ニッコリと微笑んで見せた。
氷堂の横には彼の親友の藤原がいる。
ふたりは学院内でアイドルのように女の子達に騒がれる人気者。
「牡丹の柄が素敵だね。凄く綺麗だ」
女の子がキュン死しそうな甘い顔で微笑む彼は、氷堂蒼士という私の婚約者。
私と同じ二十二歳で、百八十三センチの長身に、ゆるくカールしたダークブラウンの髪。それとイケメン俳優顔負けの端整な顔立ち。
彼は世界でも有数の大企業、氷堂コーポレーションの御曹司。
頭脳明晰でスポーツ万能、性格も穏やかで優しいが、私は彼のことが苦手。
周りの女子はこの男の本性を知らない。
にこやかに微笑んでいても、氷堂はどこか見下すような目で女の子を見ている。