【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

気遣うように聞けば、彼は別のものをオーダーした。
「ミネラルウォーターくれる？」
「あっ、俺もミネラルウォーター頼むわ。どこでもコーヒー出されて飽きた」
剣持さんもうんざりといった顔で、私に頼む。
「了解しましたわ」
にっこり微笑むと、ペットボトルをふたりのデスクに置く。
すると、蒼士と藤原が現れた。
藤原も総務省に打合せに行っていたから恐らく廊下で蒼士に会ったのだろう。
「大谷さんも剣持さんも戻ったんだ。じゃあ、早速だけどミーティング始めようか」
蒼士が爽やかな笑顔で招集をかければ、みんなミーティングスペースに集まって各自の報告を聞きながら今後の対策をメンバーで考えていく。
そうしているうちにあっという間に八時になった。
お弁当でも手配しようかと考えていたら、私の席の内線が鳴って、出たら警備の人からだった。
赤坂のホテルのケータリングがこちらにくるらしい。
多分、蒼士が気を利かせて頼んだのだろう。
電話を切れば、ニヤリとする彼と目が合った。
「時間通りだな。今日はミーティングはこれくらいにして、食べよう。せっかくのイブだし」
この気配り。
改めて蒼士の凄さを知る。