【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

「ふ～、疲れた」
そう言いながら、奥のソファに腰を下ろしてネクタイを緩める彼。
私もソファに行き蒼士の横に座ると、彼の肩を掴んでその身体を倒した。
「綾香？　どうしたの？」
驚く彼の目を見てゆっくりと微笑む。
「膝枕ですわ。しばらく休んでください」
「……ありがとう。ちょっとだけ休ませてもらおうかな」
最初は戸惑っていたが、相当疲れていたのか蒼士は静かに目を閉じる。
その彼の髪に触れた。
軽くてふわふわ。
一定のリズムで撫でていると、彼のスーッという静かな寝息が聞こえてきた。
まつ毛……長い。
まるで眠れる王子といったところ。
考えてみたら、彼の寝顔をこんなにじっくり見るのは初めてかも。
蒼士と身体を重ねた日から、彼と同じベッドで寝ている。
いつも朝は彼の方が早く起きるし、寝るのだって彼の方が遅い。
三十分くらい蒼士の寝顔を見ていたら、スマホのバイブ音がして彼がパチッと目を開けた。
「俺のスマホ。多分メール」
そう説明しながら上体を起こしてズボンのポケットのスマホを確認する彼。
「仕事のメール？」
蒼士に尋ねれば、彼はフッと笑った。