【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
それに、彼の優しい言葉や褒め言葉には全く気持ちがこもっていない。
今私を見ている彼の目も珍獣を見るようにどこか楽しげで、その顔を見るとイラッとする。
ええ、わかっていますとも。
『綺麗』というのは、私のことではなく袴のこと。
浮かれて喜んだりなんかするものですか。
高校三年の時、氷堂のお父さまから私を息子の嫁にしたいというお話があった。
私は断るように父に伝えたのだけど、うちよりも氷堂家の方が格も財力も上。
拒否するなんて無礼なことは許されない。
氷堂家を敵に回せば、花山院家は簡単に潰される。
仕方なく氷堂の方から断るようにお願いしたのに、彼は悪魔な顔で私に告げた。
『美人で才女の君との縁談を断る理由なんてないよ。花山院商事の社長令嬢の君が俺の婚約者になれば、周囲も静かになるだろうしね』
つまり、私は氷堂の盾として利用されるということ。
毎日しつこく女の子達に追い回されて、彼が辟易していたのは知っている。
他人事ながらも同情していた。
でも、私がその女の子を黙らせる道具になるなんて……。
『納得いかないって顔だね。まあ、女の子だし、好きな相手と結婚したい気持ちはわかるよ。今、花山院さんは恋人はいるの?』
今私を見ている彼の目も珍獣を見るようにどこか楽しげで、その顔を見るとイラッとする。
ええ、わかっていますとも。
『綺麗』というのは、私のことではなく袴のこと。
浮かれて喜んだりなんかするものですか。
高校三年の時、氷堂のお父さまから私を息子の嫁にしたいというお話があった。
私は断るように父に伝えたのだけど、うちよりも氷堂家の方が格も財力も上。
拒否するなんて無礼なことは許されない。
氷堂家を敵に回せば、花山院家は簡単に潰される。
仕方なく氷堂の方から断るようにお願いしたのに、彼は悪魔な顔で私に告げた。
『美人で才女の君との縁談を断る理由なんてないよ。花山院商事の社長令嬢の君が俺の婚約者になれば、周囲も静かになるだろうしね』
つまり、私は氷堂の盾として利用されるということ。
毎日しつこく女の子達に追い回されて、彼が辟易していたのは知っている。
他人事ながらも同情していた。
でも、私がその女の子を黙らせる道具になるなんて……。
『納得いかないって顔だね。まあ、女の子だし、好きな相手と結婚したい気持ちはわかるよ。今、花山院さんは恋人はいるの?』