【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
3、私は普通のOL
「ここが氷堂コーポレーションの本社ですのね」
赤坂の一等地にある五十二階建てのビルを見上げた。
氷堂コーポレーションはホテル、鉄道、不動産、レストラン、スポーツクラブ等の幅広い事業を展開している大企業で、総売上は八兆円を超え、国内の総従業員数も六万人を超える。
この本社では、およそ八百人もの社員が働いているとか。
四月一日。桜が咲いて、新しい年度が始まる。
今日から私は普通のOLとしてここで働くのだわ。
だが、美佳は大反対した。
『お嬢さまが働く必要なんてありません!』
そうね。家が火事で全焼するまではそれで良かった。
でも、家も財産も失い、父ももういない。
現実を受け入れなくては。
だから、大谷先輩にどこかで働きたいとお願いしたのだ。
火事があってから十日近く大谷先輩のところにお世話になっていたが、流石にこれ以上ご迷惑をおかけするわけにはいかないし、無一文になってしまったからには働いてお金を稼ぐ必要がある。
それに、何もせずに先輩の家にいるのが嫌だった。
美佳が何かと世話を焼いてくれたけど、彼女は今月結婚する。
それなのに私が居座るのはよくない。
赤坂の一等地にある五十二階建てのビルを見上げた。
氷堂コーポレーションはホテル、鉄道、不動産、レストラン、スポーツクラブ等の幅広い事業を展開している大企業で、総売上は八兆円を超え、国内の総従業員数も六万人を超える。
この本社では、およそ八百人もの社員が働いているとか。
四月一日。桜が咲いて、新しい年度が始まる。
今日から私は普通のOLとしてここで働くのだわ。
だが、美佳は大反対した。
『お嬢さまが働く必要なんてありません!』
そうね。家が火事で全焼するまではそれで良かった。
でも、家も財産も失い、父ももういない。
現実を受け入れなくては。
だから、大谷先輩にどこかで働きたいとお願いしたのだ。
火事があってから十日近く大谷先輩のところにお世話になっていたが、流石にこれ以上ご迷惑をおかけするわけにはいかないし、無一文になってしまったからには働いてお金を稼ぐ必要がある。
それに、何もせずに先輩の家にいるのが嫌だった。
美佳が何かと世話を焼いてくれたけど、彼女は今月結婚する。
それなのに私が居座るのはよくない。