【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
大谷先輩の話では、氷堂は副社長として経営に携わるとか。
多分、彼と会社で顔を合わせることなんてないだろう。
副社長とただのOL。
同じ会社にいても接点はないはず。
もう彼とは婚約者でもなんでもないのだ。
私が婚約破棄を伝えた手紙は、氷堂から戻ってきていない。
それは、相手が受け入れたということ。
きっと彼は自分から破談にする手間が省けて喜んだだろう。
これで縁が切れてスッキリしたわ。
大谷先輩には私の居場所については氷堂に伏せておくようお願いしてある。それに、ここで働くことも氷堂には絶対に秘密。
入社式が終わってみんな隣の部屋に移動し、私もそちらに向かおうとしたら、ガタイのいいスーツ姿の男性に声をかけられた。
ベリーショートの黒髪に、身長は百九十センチ程で、年は二十後半くらい。
アメフトでもやってそうな体格で、肌も小麦色に焼けている。
彼の胸には【剣持斗真】と書かれた名札がぶら下がっていた。
「鈴木綾香? あんたはこっち」
顎でクイとエレベーターの方を示す男性。
そんなぞんざいな態度で対応されたのは初めてで、呆気に取られた。
啞然としている私に構わず剣持さんはスタスタ歩いて行く。
多分、彼と会社で顔を合わせることなんてないだろう。
副社長とただのOL。
同じ会社にいても接点はないはず。
もう彼とは婚約者でもなんでもないのだ。
私が婚約破棄を伝えた手紙は、氷堂から戻ってきていない。
それは、相手が受け入れたということ。
きっと彼は自分から破談にする手間が省けて喜んだだろう。
これで縁が切れてスッキリしたわ。
大谷先輩には私の居場所については氷堂に伏せておくようお願いしてある。それに、ここで働くことも氷堂には絶対に秘密。
入社式が終わってみんな隣の部屋に移動し、私もそちらに向かおうとしたら、ガタイのいいスーツ姿の男性に声をかけられた。
ベリーショートの黒髪に、身長は百九十センチ程で、年は二十後半くらい。
アメフトでもやってそうな体格で、肌も小麦色に焼けている。
彼の胸には【剣持斗真】と書かれた名札がぶら下がっていた。
「鈴木綾香? あんたはこっち」
顎でクイとエレベーターの方を示す男性。
そんなぞんざいな態度で対応されたのは初めてで、呆気に取られた。
啞然としている私に構わず剣持さんはスタスタ歩いて行く。