【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
藤原はなんでもそつなくこなすからいいけど、私は違う。
不器用だから、なんでもコツコツ勉強して身につけるタイプなのだ。
ちゃんと新人研修を受けたいわ。
ビジネスマナーとか自信ありませんもの。
「……そうなんですか」
不安気にそうポツリと呟けば、「心配しなくても大丈夫だよ。仕事しながら慣れていけばいいから」と大谷先輩に励まされた。
その後は、オフィス内の説明を受ける。
右手は給湯室で冷蔵庫やコーヒーマシンもあって自由に利用出来る。
その横にはシャワー付きの仮眠室があり、簡易ベッドがふたつ用意されていた。
剣持さんに社内を案内され、総務や経理、そして秘書室に挨拶に行き、お昼になると社食でランチを食べる。
大学も学食があったのでそう驚きはしない。
オフィスに戻れば、大谷先輩に早速資料作成を頼まれた。
アメリカ、ヨーロッパ、アジア等の市場動向をまとめるのだが、数値を書き換える程度のものなので、新人の私でもそう難しくはない。
今思えば、生徒会での仕事が役に立っている。
藤原は剣持さんに呼ばれ、目の前で「今、中国の市場が冷え込んでいるから、投資は控えた方が……」とかなんとか意見している。
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