【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
その顔からはいつもの事なのだが、彼の心情が読み取れない。
氷堂の登場に驚いてしまったけど、彼は私のことには気づいていないらしい。
メガネをして、髪を切っただけなのに。
彼は私ではなく、私の背後にあるものを見ていたのだろう。
花山院という名家の名前を。
内心、すぐに私だとバレると思ってビクビクしていた。
だが、今は逆に冷ややかに氷堂を見る余裕がある。
あなたには、失望しましたわ。
本質を見抜けない男でしたのね。
このまま誤魔化し続けるのよ、綾香。
私がボロを出さなければ、バレないわ。
ずっと気を張りながら氷堂達と仕事をしていると、いつの間にか定時になり、氷堂が内線で社長に呼び出された。
「今日はここまで。お疲れ」
そう言って、氷堂はオフィスを後にする。
その後ろ姿を見送り、ホッとした。
どうやらバレなかったらしい。
でも、氷堂の秘書なんて、何をしていいのかわからない。
これからどうすればいいのかしら。
「鈴木さん、僕は客先に用があるから、寮まで送って行くよ」
大谷先輩に声をかけられ、パソコンの電源を落とし、彼の車で寮まで送ってもらった。
氷堂の登場に驚いてしまったけど、彼は私のことには気づいていないらしい。
メガネをして、髪を切っただけなのに。
彼は私ではなく、私の背後にあるものを見ていたのだろう。
花山院という名家の名前を。
内心、すぐに私だとバレると思ってビクビクしていた。
だが、今は逆に冷ややかに氷堂を見る余裕がある。
あなたには、失望しましたわ。
本質を見抜けない男でしたのね。
このまま誤魔化し続けるのよ、綾香。
私がボロを出さなければ、バレないわ。
ずっと気を張りながら氷堂達と仕事をしていると、いつの間にか定時になり、氷堂が内線で社長に呼び出された。
「今日はここまで。お疲れ」
そう言って、氷堂はオフィスを後にする。
その後ろ姿を見送り、ホッとした。
どうやらバレなかったらしい。
でも、氷堂の秘書なんて、何をしていいのかわからない。
これからどうすればいいのかしら。
「鈴木さん、僕は客先に用があるから、寮まで送って行くよ」
大谷先輩に声をかけられ、パソコンの電源を落とし、彼の車で寮まで送ってもらった。