【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
夢だと思って従わずにいたら、耳元でまた彼の声がした。
「起きないと、キスしちゃうけど、いいのかな?」
不穏なその声に身の危険を感じてパッと飛び起きた。
「な、な、なんで氷堂さまが!」
ズレたメガネを戻しながらソファの背に身を寄せる。
そして元婚約者に目を向ければ、彼はゆっくりと口角をあげた。
「婚約者なんだから、いい加減『蒼士』って呼んでほしいな」
「私はどうしてあなたがここにいるかと聞いているのです。話を逸らさないでください!」
キッと氷堂を睨みつけるが、彼は気にする様子もなく楽しげに目を光らせる。
「自分の家にいるだけだよ」
その答えに顔をしかめた。
「氷堂さまの家? でも、室長の大谷さんは寮だと……」
「俺の家って言ったら、綾香が逃げるのは目に見えてるからね。大谷さんには、俺のことは伏せておくように頼んだんだよ」
悪びれた顔もせずに説明する氷堂にムッとして噛み付いた。
「なんのゲームか知りませんが、騙すなんて酷いですわ!」
「それじゃあ、『鈴木綾香』と名乗って俺を騙すのはいいの?」
挑戦的なその目。
ん? 『鈴木綾香』?
寝起きのせいか、まだ頭が働かない。
私は花山院綾香。
「起きないと、キスしちゃうけど、いいのかな?」
不穏なその声に身の危険を感じてパッと飛び起きた。
「な、な、なんで氷堂さまが!」
ズレたメガネを戻しながらソファの背に身を寄せる。
そして元婚約者に目を向ければ、彼はゆっくりと口角をあげた。
「婚約者なんだから、いい加減『蒼士』って呼んでほしいな」
「私はどうしてあなたがここにいるかと聞いているのです。話を逸らさないでください!」
キッと氷堂を睨みつけるが、彼は気にする様子もなく楽しげに目を光らせる。
「自分の家にいるだけだよ」
その答えに顔をしかめた。
「氷堂さまの家? でも、室長の大谷さんは寮だと……」
「俺の家って言ったら、綾香が逃げるのは目に見えてるからね。大谷さんには、俺のことは伏せておくように頼んだんだよ」
悪びれた顔もせずに説明する氷堂にムッとして噛み付いた。
「なんのゲームか知りませんが、騙すなんて酷いですわ!」
「それじゃあ、『鈴木綾香』と名乗って俺を騙すのはいいの?」
挑戦的なその目。
ん? 『鈴木綾香』?
寝起きのせいか、まだ頭が働かない。
私は花山院綾香。