【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
騒いでいた女子達はしずしずと図書室を出ていった。
その様子を見て、"まるで春日の局だな"と呑気にも思っていたら、綾香が俺と藤原をキッと睨みつけて言い放ったのだ。
『氷堂さま、藤原さま、面倒なことは放置ですか?おふたりには失望しましたわ』
女の子にきつく注意されたのは初めてだったので、面食らってしまった。
普通は氷堂家の御曹司と知ってて俺に意見する者などいない。
みなこびへつらおうとするのだが、彼女は違うらしい。
へえ、面白い。
その時初めて綾香に関心を持った。
成績優秀でいつも学内のテストではトップスリーには入っている彼女。
勉強が出来るからスポーツも当然出来ると決めつけていたが、実はかなりの運動音痴。
泳げないし、球技でもうまくボールを取れずたまに突き指している。
だが、綾香の周りにいる親友達が彼女をフォローするから、端から見ているとあまり気づかない。
それも、綾香の人徳なのだろう。
ただの高飛車な令嬢ではなく、みんなが憧れ、慕うお嬢様。
なぜそんなに彼女が、男女問わず慕われているのか、臨海学校の時にわかった。
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