【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

カナヅチの綾香が海で溺れている子供を助けようと海に飛び込んだ事件があったのだ。
俺がそのことに気づいたのは、彼女が溺れてすぐのこと。
女子達が『綾香さま〜』とか『誰か子供と綾香さまを〜』とか言って騒いでいて、よく見たら、子供と一緒に綾香が溺れていた。
慌てて俺と横にいた藤原が飛び込んで、彼女と子供を助けた。
『カナヅチなのに海に飛び込むなんて、馬鹿か！』
綾香に大声で叱りつけたのを今でも覚えている。
誰かに対してあんなにヒヤッとしたのも、感情的になって怒鳴ったのも初めてだったと思う。
どうやら彼女は困ってる人がいると放っておけない性分らしい。
そんな彼女だから皆が慕うのだろう。
それからだろうか？
綾香のことがいつも気になって、いつの間にか彼女の姿を目で追うようになった。
その後も綾香はいろいろと俺をハラハラさせた。
キャンプでは崖に落ちそうになった友人をかばって綾香が捻挫したり、スキー合宿でははぐれた友人を探しに行って自分が遭難。
いずれも俺がいち早く気づいて彼女を助けた。
他にもまだまだ事件はあるが、ここで語るのはやめておこう。