【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
よくテレビドラマとかで貫録のある女性社員が若い女性社員をいびっているのを観たことはあるけれど、現実に存在しますのね。
剣持さんに聞き返したら、私の席の横に座っていた藤原がにっこりと微笑んだ。
「大丈夫。いつもの綾香ちゃんでいいからね」
「……はあ」
気のない返事をして秘書室に向かう。
『自然体』とか『いつもの私』って……それだと花山院綾香になりますのよ。
知ってて言ってますの?
でも、藤原は私の正体を知っているのよねえ。
ああ~、もうどうしたらいいのかしら。
ハーッと溜め息をつくと、コンコンとノックして秘書室に入る。
「おはようございます。花……いえ、海外戦略室の鈴木です。なにかご用でしょうか?」
そう名乗り、奥にいるこの部屋の主に目を向けた。
ミントグリーンのスーツを着た栗毛のミディアムスタイルの社長秘書は、私を見てうっすらと口角を上げる。
年は三十代後半くらいで、秘書室を仕切っているような貫禄。
「鈴木さん、新人のあなたにちゃんと副社長の秘書が務まるか不安なのよねえ。あなたは海外戦略室にいるし、手取り足取り秘書のノウハウを教えるわけにはいかないでしょう?」
剣持さんに聞き返したら、私の席の横に座っていた藤原がにっこりと微笑んだ。
「大丈夫。いつもの綾香ちゃんでいいからね」
「……はあ」
気のない返事をして秘書室に向かう。
『自然体』とか『いつもの私』って……それだと花山院綾香になりますのよ。
知ってて言ってますの?
でも、藤原は私の正体を知っているのよねえ。
ああ~、もうどうしたらいいのかしら。
ハーッと溜め息をつくと、コンコンとノックして秘書室に入る。
「おはようございます。花……いえ、海外戦略室の鈴木です。なにかご用でしょうか?」
そう名乗り、奥にいるこの部屋の主に目を向けた。
ミントグリーンのスーツを着た栗毛のミディアムスタイルの社長秘書は、私を見てうっすらと口角を上げる。
年は三十代後半くらいで、秘書室を仕切っているような貫禄。
「鈴木さん、新人のあなたにちゃんと副社長の秘書が務まるか不安なのよねえ。あなたは海外戦略室にいるし、手取り足取り秘書のノウハウを教えるわけにはいかないでしょう?」