【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい～俺様御曹司と甘く危険な政略結婚～

「……い、おい、鈴木」
剣持さんの声が聞こえてイラッとする。
「お静かに願いますわ！」
キッと鋭く睨めば、彼は呆れ顔で返した。
「おい、新人。お前、何様だ？」
「何様って……そんなの決まってますわ。花山院!?」
"花山院綾香"と言おうとしたら、藤原が割って入った。
「綾香ちゃん、ほらスケジュールの調整」
彼に優しく指摘されハッとする。
あっ……私……またやってしまったわ。
口に手を当て、藤原と剣持さんを交互に見た。
「……すみません」
小声で謝ると、バツが悪くてスケジュール帳を手に取り、自分の顔を隠す。
「大谷さん、副社長の代わりにマーナーユース社の対応お願いします。三時から特別応接です」
数センチスケジュール帳をずらしてちらりと大谷先輩に視線を向けた。
「了解。剣持、経産省との打合せ、お前だけで頼む」
大谷先輩は私にコクッと頷くと、剣持さんの肩を叩く。
「へーい」と返事をして、剣持さんはすぐに資料をビジネスバッグに入れ、オフィスを出て行った。
ボーッとしてちゃいけないわ。
私もテーブルの上のコーヒーカップを片付けると、応接室に行き、プロジェクターをセットする。