双子と双子
その少年は
私に向かってズカズカと歩いてくる
『えっ、なに!?』
『これ』
そういって渡してきたのは
たくさんのおにぎり。
『…これ……??』
『俺のせいで弁当無くなっちゃったし、これ食え』
無愛想に言う彼
『でもこれ…』
こっから見えるだけで
10コはあるおにぎり
きっともっとあるだろぅ…
『じゃぁな』
…………
『ちょっと、待ちなさいよ!!』
ドアを開けようとする彼に
私は声をかけた
『私、こんなに食べれないの。あなたも食べてよ』
『え……』
私達の間に
一瞬の沈黙───…