双子と双子
─キーンコーンカーンコーン─
その沈黙をさえぎったのは
チャイムだった
『あ…私、いかなきゃ…』
『おう…俺、次サボるからまだ居るわ』
『そぅ…じゃぁね、ありがとう』
そう言って
屋上のドアを開けた
『名前は?』
『…え??』
『だから、名前なんてゆーの??』
『…美紀ですッ』
『…じゃーな、美紀』
私は
そのまま屋上を後にした
すごく
すごく
なんだかすごく恥ずかしかったから
走って教室に戻った