【短】#1
誰だ、こいつを「悩める兎」とか言い出したのは…。

え?あたし?

だったら、本当に終わってる。

気付けば、またベッドに押し倒される形になっていて、私は、バタバタと足を揺らして抵抗をする。

「もう!ゆ、う、き!」

「なぁに?」

舌なめずりをして、私を見る目は獰猛な男の目線。
それにぞくりとしないわけではないけれど、やっぱり今日だけは、たった一言「好き」だと言わせたくて…。

「…すき?」

潤んだ目で聞いてみる。

すると、それを見た祐希は、噛み付くようなキスをしてきてから…。


「あーもー…反則。…大好きだよ」


と言って、抱き締めてくれた。



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