荒れ果てた世界に緑を。
「ここは、都市。俺みたいな人間が沢山いるんだ。そろそろ町に降りる?あ、買わなきゃならないものがあるんだった…」

ビオラの問いかけにアイリスはうなずいた。浮遊車を近くの道路に止める。浮遊車から降りたビオラは、アイリスの手を引いて歩き始めた。

ビオラが向かったのは、本屋。ビオラが入ると、装置が起動し「いらっしゃいませ」と映像に写った女性が頭を下げる。

ビオラは、とある本を手に取るとレジへと向かう。本のタイトルは『昔の科学との比較』と書かれていた。

ビオラがカウンターに本とお金を置くと、明らかにロボットに見える機械が自動で支払いをする。

「お買い上げありがとうございました」

ロボットが頭を下げると、ビオラも頭を下げて歩き始める。アイリスも慌てて頭を下げてビオラの後を追いかけた。

「…言ったでしょ?今の時代、ロボットが当たり前だって。ちなみに、アイリスのような姿も中身も人間にそっくりなロボットはいない」

ビオラはそうアイリスに説明をした。姿だけは人間にそっくりなロボットはある。しかし、そのロボットは人間のプログラムによって動いているだけだった。

「さぁ、研究所に帰ろうか」
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