わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
仕事が終わって、エレベーターを降り、会社ビルを出たところだった。

お盆明け…早く帰れたなぁ…
今日はスーパー寄って買い物して帰ろ…。

「なんだ。美湖ちゃん。早いじゃん。」

え?
会社を出て10mほど歩いたところにいたのは…

「う、えむら先輩。」

「残業、なくなったの?」

な、何この人…。
ど、どうしよう…

「あ、あの…」

わたしが言いよどんでいると…

「おい!花村。待たせたなー。」

後ろから鮫島課長が小走りでやってくるではないか。

それぞ…天の救い…。

「あ、あれ?こんなところで奇遇ですね。専務。」

鮫島課長は丁寧に頭を下げた。

「先日は、水嶋が失礼いたしました。」

「あ、ああ。いいよ。返品できたんだし。」

上村先輩はバツが悪そうに目をそらして横を向いて答えている。

「花村とお知り合いだったんですか?何か花村に御用だったらすみません。
今から僕と一緒に接待ですので…。」

「あ、ああ。そう。いいよ。大した用じゃないから。」

ちょっとしどろもどろしてる風に言うとわたしの顔も見ずに、そそくさとその場から去り、駅と反対方向へ消えて行った。

「花村、ほんとに接待行くぞ。」

「え?わたしがですか?」

「あの専務。またつけてくるかもしれないから。
ちょうどよかったんだよ。俺1人じゃ場がもたない接待だったから。とりあえず、来い。」
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