わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜


美湖は11時ごろに出社した。

銀行の書類を鮫島課長に提出しているらしい。
何か鮫島課長が美湖に「大丈夫か?」みたいなことを言っていて、美湖がぺこぺこ頭を下げている。

俺は今日は加賀に出先まわりを頼んで社内の事務処理を片付けていた。

美湖を見る。
後ろ姿は普通だ。
美湖の鮫島課長との話が終わったらしく、もう一度深く頭を下げてくるりと振り返った。

と…俺と目が合った。

そしてその美湖の瞳に衝撃を受けた。

何秒見つめ合っていただろう?

社内には営業補佐以外ほとんど人はいなかったし、俺と美湖がちょっと見つめ合ってたくらいで誰も気づいてはいなかったろう。

ほんの数秒のことだったかもしれないし、1分以上だったかもしれない。

時間の感覚が狂ってしまうくらい、美湖の瞳は俺に…訴えていた。

「助けて…悠…」

俺はガタッと席を立った。


美湖に今すぐ確認しなきゃ…

そしたら、昼前になったからか、営業マンがフロアのエレベーターから大量に降りてきた。

クソッ…
< 111 / 201 >

この作品をシェア

pagetop