わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
「あ、花村さん、やっと来たの?待ってたんだよー。」

営業マン達がフロアに入るなり、美湖の前に伝票の山を築きあげた。

美湖が笑顔で対応している。

加賀も帰ってきた。

「水嶋さん。昼一協同組合アポですよ。」

あ、そうだったな。

「あー。わかってるよ。」

「どうしたんですか?」

「何が?」

「いや、立ったままで。」

「あ、あー。トイレだよ。」

仕方なく行きたくもないトイレに行った。

クソッ!
こういうときに限って…昼からアポ4件だ。
しかも…結構かかりそうだ。
夕方美湖が帰るまでに社内に戻ってこれるかどうか…

ところが…

昼からの仕事が結構長引く。
4件のつもりが、商品のトラブルがあり、あと2件行く羽目になった。

加賀では対応できないクライアントだったため、俺が自ら出向くしかない。

必死で終わらせてなんとか会社に戻ったときにはもう7時だった。

クソッ
美湖もう帰ってるよな。

東京支社ビルの前まで来た時、美湖がビルから出てくるのが見えた。

よかった。間に合った…。

ここは呼び止めてちゃんと話を…

と…俺より先にとなりのビルの影から飛び出してきて美湖の前に立ちはだかった誰かがいる。

え?上村先輩?

アイツ…まだ美湖に…。
もしかしてまたより…戻したのか?
< 112 / 201 >

この作品をシェア

pagetop