わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
先輩にひっぱられたときにきつくつかまれたのか、左腕をさすっていた。
赤くなってる。
まったくひどいことしやがる…。

俺は自分の分のコーヒーも入れて、、美湖の横に座り左腕をさすってやった。

さぞ、こわかっただろう。
俺が…もっとはやく気づいていれば…。

自分のしょーもないプライドで美湖を振り回して、こんなことにしてしまった。


ただ、今日わかったことがある。
俺は美湖がいなくなってしまうことが何よりも耐えられないってことだ。

バカみたいにプライドを振りかざして、美湖が先輩のものだったことが許せないと思っていたけれど、そんなプライドより、美湖の元気がなくなったり、病気になったり、いなくなってしまうことのほうが耐えられない。

美湖が笑って元気に過ごしてくれることが何よりも俺にとって重要だってことだ。

結局高校の時も最後までマネージャーとして野球部にいた美湖がそこにいてくれるだけで…俺はよかったのだ。

たとえ俺のことを気にもとめていなかったとしても。

そして、大学に行って、美湖とは完全に離れてしまってからは…兄貴や母親がときどき、美湖と涼介くんの近況などをLINEや電話で教えてくれてほっとしていた。

俺の心のよりどころはそのときは慎吾になっていたのかもしれないけれど、それでも美湖が心の奥にいたし、どこかで俺が活躍したニュースや新聞を見てくれているんじゃないかって期待を抱きながら、野球に一心に取り組んでいた。


美湖が元気に笑っていてほしい。

それだったら、俺は、自分が身をひいたっていい。
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