わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
主役の悠がいないと会場は今頃ざわざわしてるに違いなかった。

「うーん。いいや、ちょっと美湖、待ってて。」

悠はわたしをそこにあったバス停のベンチにストンと下ろすと、スマホ片手に電話をかけはじめた。

『あ、慎吾?
………ん…たのむわ。』

慎吾って森谷くん?知ってるのかな?

そのあともう一回電話を誰かにかけていた。

しばらくそのまま待っていたら、やっぱり森谷くんが悠の上着を持ってやってきた。

「ったく!主役が一次会で帰るとか、バカかっての!知らねぇぞ!鮫島課長にも電話しとけよ。」

ブツブツいいながら悠に上着を渡す。

「花村もな。」

キッとわたしの方も見る森谷くん。

「ご、ごめん…。」

「大丈夫だから。鮫島課長には連絡済みだよ。」

悠は森谷くんの肩をポンと叩いて言った。

余裕の表情。

「さんきゅーな。慎吾。」

「まぁ、いいけど。気つけて帰れよ。」

「ああ。慎吾も幹事ご苦労さん。やっぱお前が幹事やると全てが洗練されてるわ。」

「ふん。いいことばっか言えばいいと思いやがってよ。」

結局、森谷くんはブツブツいいながら帰って行った。
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