わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜


唯一引き継ぎをしていなかったクライアントへ、今日は鮫島課長と一緒に来ている。

ここは大手大口のクライアントで、鮫島課長が直接担当されていたが、今回俺に任せるということになったらしい。

今回は加賀はいらないと言われたので、鮫島課長と俺、2人だ。

「水嶋。ここの専務がなぁ。ちょっとワガママな人で、手焼くかもしれんが、頼むぞ。」

「そうっすか。ワガママって?」

「直前のキャンセルとか、納品したものにイチャモンつけるとかは日常茶飯事だ。」

なるほど…

だから課長自ら今まで担当してたわけだ。
問題のあるクライアントってことか…。

「専務はおそらく水嶋と同じくらいの歳だと思うけどな。」

へぇ…どうせ、小さい頃から社長の息子でワガママに育ったんだろう。

「わかりました。気をつけるようにします。」

そして、俺たちは、大手スーパー『サンフーズ株式会社』の扉をノックした。

応接室で待たされること30分。

この待たされ具合から言ってもまあ、その専務とやらが一筋縄では行かない人ってことはわかる。

いい加減にしびれを切らしそうになった頃にガチャリと応接室の扉が開いた。

「悪いね。待ってもらって。」

そこに現れたのは…年の頃は俺と同じくらい。
背の高さ、そして体の大きさもほぼ同じ。

ん?
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