わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
次の日、悠はほんとに9時にやってきた。

わたしは散々迷った挙句、スキニーの七分丈のジーパンとフワッとした長めのロンTに上着を羽織ってスニーカーを履いた。

髪は崩れた感じのハーフアップにした。
もともと茶色い髪で、フワッとしてるのでブローすればパーマをあててるみたいになるのだ。

悠はラフなジーパンにロンTというスタイルだったけど、普段スーツ姿しか見てないからか、私服がカッコよくてドキドキしながら、車に乗り込んだ。

「動物園なんて、一緒に行くのいつぶりかなぁ?」

悠のカッコよさに緊張して、何言ったらいいかわからなくなってそんなことを言ってみる。

「小学校の低学年だろ?2年だったかな?兄貴たちが野球休みんときに行ったじゃん。一回。」

「そうだっけ?」

「だよ。で、おまえがヒグマの前で驚いて転んで膝擦りむいてさ…俺がずっと一緒にいてやってたろ?」

「あ…」

思い出した…。
ヒグマが怖くて転んで泣いてるわたしの手を引いて、キリンの前まで連れてきてずっと一緒にいてくれた悠。

「あのときは。ありがと。」

しんみり言ってみたけど悠は笑い飛ばす。

「ぷはっ。おまえいつのことでお礼言ってんの?」

「だって…怖いのわかってくれたの悠だけだったから…」

あのとき、ヒグマを怖がるわたしをお兄ちゃんと滉くんは笑い飛ばすし、お母さんたちは呆れ果てて適当にあしらう中、悠だけがマジメにわたしの話を聞いてくれたのだ。

「はは。そうだっけな。」

悠は前を向いたまま、運転しながら笑った。
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