わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜
動物園に着くと昔とあまりにも変わってなくて、笑ってしまった。

「おまえに似てるぞ。あのヒヒ。」

悠が意地悪そうな笑みを浮かべてわたしの脇をつつく。

「は?」

ヒヒに似てると言われて嬉しい女の子いると思ってんの?

「あっ!ほらあのゴリラ、悠とそっくり!」

「はぁ?」

わたしはベーッと舌を出して、小走りに次のゲージを見に行く。

ふんだ。

そしたら、悠がわたしの手を引っ張った。

「バカ。そっち…ヒグマだぞ。」

あ…。

ヒグマが苦手だった。
なんでなのかよくわからなかったけど、顔が巨大で、ケモノの匂いがして、檻の中にいても食べられそうな気がしたから…

ヒグマの前に来ると、悠はぎゅっとわたしの手を握ってくれた。

大人になってみて、ヒグマの檻の前に来てみて、やっぱり気持ち悪かったけど…子どものときほどの恐怖心はない。

「悠。わたし結構大丈夫みたい。」

「ウソつけよ。手震えてんじゃん。
大丈夫。俺がずっと一緒にいてやるから。」

「うん。」

悠の手はとてもあったかくて…安心できた。

そのまま悠は…ずっとわたしの手を握ってくれていた。

ヒグマが終わったあとも…ずっと…
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