わたしたちのLOVE ROAD〜幼馴染と幸せになる方法〜


「こんなの発注してないのに10,000個も届いたんだけど?今すぐ取りに来て。」

その電話がかかってきたのはちょうど夏の甲子園の開会式の日だった。

その日は俺にとっちゃ、因縁の日でもある。

「いや、あの…1週間前注文書ファックスもらってますが…」

注文書のファックスは俺の手元にあって、
『夏用ゼリー 10,000個』
とたしかに書いてある。

「は?どっか他と間違えてるだろ?グダグダ言わずに取りに来いよ。返品だって。」

くっそ…
こういうやつだったよな。

10,000個も返品されたら、うちとしてはかなりの赤字になってしまう。

今更ほかに転売するなんて…大変だし…

「そう言われましても…」

「ほぅ。反論するのかよ?俺に。
お前が今付き合ってる女、もう一回奪ってやってもいいんだぜ?」

は?なんで美湖のこと知ってる?

「お、っしゃってる意味がわかりませんが…」

「俺も最近退屈してたから、昔の女とより戻してもいいかなぁと思ってな。おんなじ会社にいるみたいじゃないか?」

くそっ…!
なんだよ?コイツ!いつまでも…

「わかりました。伺います。」

「いますぐ来いよ。」

電話口の向こうで高笑いしてる上村先輩が見える気がした。
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